EC事業者にとって、受注管理は購入者の注文内容を正確に把握するために必要な業務です。
受注管理が適切でないと、納品遅れや誤発送などのトラブルが発生し、購入者からの信頼を失う可能性があります。
トラブルの発生原因は多数ありますが、受注データの入力ミスや情報共有不足などヒューマンエラーによるものがほとんどです。
このような人によるミスを減らすためにも、受注管理システムの導入が現在重要となっています。
本記事では、EC事業者向けに受注管理システムを導入するメリットやデメリット、おすすめのツールを紹介します。
- 日々の受注業務に時間をとられて、他の業務を進められない
- 自社に適した受注管理システムを見つけたい
上記のような方は、ぜひ参考にしてみてください。
ECにおける受注管理システムとは?
受注管理システムとは、以下のような受注作業を効率化できるシステムのことです。
- 注文の受付
- 納品書や出荷伝票の発行
- 注文情報や状況の社内共有
- 購入者情報の管理
受注工程には上記のようにさまざまな作業があり、手動で行った場合スタッフへの負担が大きくなります。しかし、システムを導入することで迅速かつ正確に作業できるようになり、工数の軽減を実現可能です。
受注管理システムは、在庫数の認識のズレや受注ミスなど、ヒューマンエラーの防止にも有効で、多くの企業が導入しています。
受注管理における課題
受注管理における課題は主に以下が考えられます。
- ヒューマンエラーにより納品が遅れる可能性がある
- スタッフの作業負担が大きい
- 多様なニーズへの対応が難しい
実際に現場で起こり得る可能性のあるトラブルや課題を認識して、解決策を考えていきましょう。
ヒューマンエラーにより納品が遅れる可能性がある
受注内容を在庫部門や生産部門に正しく共有できないと、商品の出荷に時間がかかり購入者からのクレームにつながるおそれがあります。
受注管理は各部門への司令塔のような役割を担うため、共有している情報そのものに誤りが見つかったら確認作業が必要になり、その後も進捗にも影響が出ます。
とくに受注業務を手動で実施している場合、共有漏れや誤情報の拡散などのトラブルが発生する可能性も少なくありません。
たとえば、よくあるミスとして受注残の発生による情報共有ミスがあります。受注残とは、注文された商品のうち、購入者に納品できていない状態の商品のことです。
担当者同士で受注残を共有できていないと、先に注文した購入者のために確保した商品を、別のスタッフが後から注文した購入者に発送してしまうことがあります。
もし商品を発送して在庫が切れてしまったら、先に注文した購入者への納期が遅れてしまい、信頼の損失につながります。
とくに予約商品の場合は、別の購入者に発送すると、在庫切れになる可能性が高いため注意が必要です。
上記のような情報共有ミスを防ぐためには、リアルタイムで受注データや在庫データを管理できる体制を整えることが大切です。
なお、受注残の詳細や対処法は以下の記事で紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
参考:受注残高とは?受注残との違いや発生原因、課題の解決策を初心者にわかりやすく解説
スタッフの作業負担が大きい
受注管理には主に以下のような作業があり、スタッフの作業負担が大きいことも課題のひとつです。
- 商品のピッキング
- 出荷作業
- メール対応
- 問い合わせ対応
上記の中でも商品のピッキングや出荷作業は正確性が求められる作業であるため、集中力が求められます。通常時も労力の発生する作業ですが、ECサイトのセール期間中のように受注件数が増えてしまうと、より負担が大きくなってしまい、ミスが発生しやすくなります。 業務量が多いほど作業品質の低下につながるため、スタッフの負担を軽減することが重要です。
多様なニーズへの対応が難しい
ECにおける受注管理では以下のようなニーズに対応する必要があります。
- ラッピング対応
- 注文数やお届け先の変更など、注文後の変更
- 商品を複数購入した場合の発送や納期の管理
- 早期配達の希望
上記のような注文内容にすべて対応できることが望ましいですが、すべてのニーズに応えようとすると、業務が煩雑化して納期遅延の可能性があります。
多様なニーズに応えるには、可能な限り単純な作業はシステムに任せて、削減できた工数は顧客対応や販促に充てるなど時間を有効に活用することが大切です。
受注管理システムを導入するメリット
前述した課題の解決に役立つのが受注管理システムであり、導入することで以下のようなメリットがあります。
- 業務を効率化できる
- ヒューマンエラーを防げる
- 顧客満足度が向上する
- コストを削減できる
「受注管理システムを導入したいけど迷っている」という方は、ぜひメリットを確認したうえで導入を検討してみてください。
業務を効率化できる
受注管理システムを導入すれば、これまで手動で行っていた以下のような作業で業務効率化を図れます。
- 受注メールの送信(サンクスメールや発送完了メールなど)
- ピッキングリストの作成
- 伝票類の作成(出荷伝票や納品書など)
上記の作業をスタッフが担当する必要がなくなるため、スタッフの工数を軽減でき、作業の質も向上します。
入力業務のような事務作業にかかっていた工数をコア業務に充てられるため、EC事業の売上向上施策に注力することが可能です。
ヒューマンエラーを防げる
受注管理システムでは注文内容が自動で入力されるため、スタッフによる受注ミスを防げます。
また、各注文の進捗状況を社内で共有できるようになり、二重処理や処理漏れを回避できます。
受注管理システムによっては各ECサイトの在庫数を連動でき、複数のショップを運営する方でも正確な受注・在庫データの管理が可能です。
リアルタイムで情報を共有できるため、部門間での認識のズレがなくなり、欠品や過剰在庫のリスクも減らせます。
顧客満足度が向上する
必要書類の作成や受注メールの対応をスムーズに行えることにより、配送リードタイムを短縮できるため、購入者からの評価を上げられます。
間接的に購入者と取引を行うネットショップでは、注文してから商品が届くまでのスピードが企業の信用に大きく影響します。
受注管理システムを導入して顧客満足度が向上すれば、次回の購入につなげることが可能です。
コストを削減できる
受注管理システムを導入することで、人件費を抑えられます。手動で実施していた作業を自動化できるので、スタッフの作業負担が軽減して作業に必要な要員数や残業時間を減らせます。
これまで紙で受注管理をしていた場合は、印刷にかかる費用も削減可能です。ペーパーレス化を実現でき、書類管理の効率化にもつなげられます。
受注管理システムを導入するデメリット
受注管理システムを導入するメリットは多数ありますが、以下のようなデメリットも存在します。
- 初期費用や運用費用がかかる
- 操作に慣れるまで時間がかかる
デメリットを把握して、受注管理システムを導入するべきか検討しましょう。
初期費用や運用費用がかかる
受注管理システムの費用は、種類によって以下のように大きく異なります。
- 初期費用:0円〜数億円
- 運用費用:数千円〜数十万円
自社でイチからオリジナルのシステムを開発しようとすれば、初期費用は数億円かかる場合もあります。
無料で利用できる受注管理システムもありますが、途中でサービス自体が終了する可能性もあり、おすすめできません。 受注管理システムの導入によって人件費のような必要経費を削減できるため、長期的に見ればコストの削減につなげられます。
操作に慣れるまで時間がかかる
スタッフが受注管理システムの操作に慣れるまで時間を要するのも、デメリットのひとつです。
システムによって操作性は異なりますが、利用できる機能が多いほど画面は複雑で、使い方を覚えるのに手間がかかります。
しかし、操作方法や作業フローを覚えるようになれば、スタッフ全員が受注管理を正確かつ迅速に対応できるため、業務効率化につながります。
できるだけ早くスタッフに操作を覚えてもらいたいと考えている方は、操作マニュアルを用意し、教育期間を設けると良いでしょう。
受注管理システムの選び方
受注管理システムの選び方として、以下の4つの観点で探すのがおすすめです。
- 操作性で選ぶ
- 機能で選ぶ
- 料金で選ぶ
- サポート体制で選ぶ
さまざまなツールがリリースされている中で、自社に適した受注管理システムを選べるよう、以下を読んでみてください。
操作性で選ぶ
はじめて導入する方は、画面が見やすく、操作性に優れた受注管理システムがおすすめです。
複雑な操作を要するシステムでは、操作ミスやエラーによってトラブルに発展してしまう可能性があります。
システムの運営会社によっては無料体験を実施しているので、複数のシステムを試してみて、操作しやすいと感じたものを選びましょう。
機能で選ぶ
自社にとって必要な機能が揃っている受注管理システムを選びましょう。
自社の業務フローから必要な機能を洗い出し、要件に見合った受注管理システムを会社ホームぺージや資料などで調査します。
その後、実際に試してみて自社の運用に合うかどうかを判断するといいでしょう。
料金で選ぶ
予算の範囲内で受注管理システムを選ぶことも大切です。一般的に、機能が豊富なほど利用料金も高額になる傾向があります。
魅力的な機能が揃っていても、自社にとって不要であればムダなコストがかかってしまうため、自社に必要な機能のみが搭載されているシステムを選びましょう。
クラウドシステムの場合は従量制の料金体系が多いですが、定額制のプランが用意されているシステムもあります。
また、導入の際にかかる初期費用が安くても月額費用が高額な場合もあるので、総合的なコストを調査することも大切です。
費用感を把握できるよう、複数社に見積もりを依頼し、比較してから選ぶことをおすすめします。
サポート体制で選ぶ
システムに誤作動が発生した場合に備えて、サポート体制も確認しましょう。
受注管理は受注から発送までの工程に関わる業務であるため、システムが不具合を起こせば物流工程も滞ってしまいます。
すぐにシステムのトラブルを解決できるよう、導入後のサポート期間やトラブルが生じた際の対応を確認しておくのがおすすめです。
おすすめの受注管理システム3選
受注管理システムの選び方をふまえたうえで、おすすめなサービスは以下の3つです。
サービス名 | 速販UX | 助ネコ | CROSS MALL |
運営会社 | 株式会社サイオ | 株式会社アクアリーフ | 株式会社アイル |
特徴 | 店舗数にかかわらず一律の料金で利用できる | シンプルな画面で操作性に優れている | リモート操作が可能でサポート体制に優れている |
初期費用 | 30,000円 | 30,000円 | 0円 |
月額費用 | ・ライトプラン:8,000円~ ・従量スタンダードプラン:10,000円~ ・定額スタンダードプラン:15,000円~ | ・Lite:2,000円〜 ・ベーシック版:15,000円〜 ・Plus:80,000円〜 ・Premium:要お問い合わせ | スーパーライトプラン:5,000円〜 プラン1000:9,000円〜 プラン3000:14,000円〜 プラン5000:18,000円〜 プラン15000:23,000円〜 |
無料お試し | 30日間無料 | 30日間無料 | 要お問合わせ |
サポート体制 | 電話、メールでの対応あり | 電話、メールでの対応あり | 電話、メール、リモート操作での対応あり |
それぞれの料金体系やサービスの詳細について見ていきましょう。
速販UX
サービス名 | 速販UX |
運営会社 | 株式会社サイオ |
初期費用 | 30,000円 |
月額費用 | ・ライトプラン:8,000円~ ・従量スタンダードプラン:10,000円~ ・定額スタンダードプラン:15,000円~ |
無料お試し | 30日間無料 |
サポート体制 | 電話、メールでの対応あり |
特徴 | ・メールソフトのような構成で初心者でも使いやすい ・オプションで在庫管理と連動できる ・店舗数にかかわらず一律の料金で利用できる |
速販UXは弊社がリリースしているECサイト運営者向けの受注管理システムです。
操作画面の構成が一般的なメールソフトのようになっており、はじめて使う方でも直感的に利用しやすいシステムとなっています。
オプションの「速販在庫」を追加することで、受注データと在庫データを連動することも可能です。リアルタイムで在庫状況を把握できるため、在庫管理の適正化を実現できます。
店舗数に関わらず一律の料金で利用できるため、複数のネットショップを運営する方におすすめです。
助ネコ
引用:助ネコ
サービス名 | 助ネコ |
運営会社 | 株式会社アクアリーフ |
初期費用 | 30,000円 |
月額費用 | ・Lite:2,000円〜 ・ベーシック版:15,000円〜 ・Plus:80,000円〜 ・Premium:要お問い合わせ |
無料お試し | 30日間無料 |
サポート体制 | 電話、メールでの対応あり |
特徴 | ・シンプルな画面で操作性に優れている ・オートロボにより複数の作業を自動化できる |
助ネコは、株式会社アクアリーフが運営しているクラウド型の受注管理システムです。
助ネコはシンプルな管理画面が特徴で、直感的に操作しやすく、パソコン操作に不安のある方でも利用できます。オートロボによるメールの自動送信や受注状況のステータスの自動更新機能もあります。
CROSS MALL
引用:CROSS MALL
サービス名 | CROSS MALL |
運営会社 | 株式会社アイル |
初期費用 | 0円 |
月額費用 | ・スーパーライトプラン:5,000円〜 ・プラン1000:9,000円〜 ・プラン3000:14,000円〜 ・プラン5000:18,000円〜 ・プラン15000:23,000円〜 |
無料お試し | 要お問い合わせ |
サポート体制 | 電話、メール、リモート操作での対応あり |
特徴 | ・初期費用0円ではじめられる ・自社にあわせて専属の担当者がサポート |
CROSS MALLは株式会社アイルが運営しているクラウド型の受注管理システムです。
CROSS MALLはサポート体制が優れており、利用者の受注状況を把握した専門スタッフが担当に付きます。
電話では伝わりにくい状況の説明はリモート操作で進めてくれるので、万が一誤作動を起こしても速やかに解決へ導いてくれる点がメリットです。
受注管理システムのよくある質問
受注管理システムに関する、以下のよくある質問についてお答えします。
- フリーのソフトと有料のソフトはどちらがおすすめ?
- エクセルで受注管理はできる?
受注管理システムの疑問を解消して、導入を検討してみてください。
フリーのソフトと有料のソフトはどちらがおすすめですか?
現在、無料で利用できる受注管理システムもあり、経費を抑えて運用できます。
しかし、以下のようなデメリットがあるため、弊社では有料の受注管理システムを推奨しています。
- 利用できる機能やユーザー数が制限されている場合が多い
- サポートを受けられないサービスが多い
- 突然サービス停止になる可能性が有料のシステムよりも高い
フリーソフトは制作者の善意で提供されていることがほとんどであるため、上記のようなリスクを抱えています。
できるだけ同じシステムで運用しつづけられるよう、有料のシステムを導入することをおすすめします。
エクセルで受注管理はできますか?
エクセルでも簡単に受注管理表を作成でき、自社に合った表をカスタマイズできます。
しかし、エクセルは入力ミスが発生しやすく、利用できる機能が少ない点がデメリットです。
EC事業の成長によりエクセルでの管理が難しくなるので、すでに受注数が多い方は受注管理システムを導入しましょう。
業務の効率化には受注管理システムの導入がおすすめ
業務の効率化やヒューマンエラーの防止、コスト削減をしたい方は受注管理システムの導入がおすすめです。
受注業務の工数削減によるリードタイムの短縮により、高い顧客満足度を維持できます。
ただし「コストがかかるので導入するか迷っている」「導入後に担当者が使いこなせるのか不安」という方もいるでしょう。
そのような方は、無料体験サービスを活用して、画面の視認性や操作性を確認をしてみてはいかがでしょうか。
弊社の速販UXでも30日間の無料体験が可能で、すべての機能を試せます。
「受注管理システムを導入してみたいけど、操作性や費用対効果に不安がある」という方は、下記から速販UXの無料体験を申し込めますので、ぜひ試してみてください。
また、速販UXに関する資料請求やお見積などは、下記よりお気軽にお問い合わせください。