ネットショップを開店し、お店が起動に乗ってくると、販路拡大のために出店店舗を増やすショップ様も多いと思います。しかしながら、店舗数が増えることにより、売上アップも期待できますが、同時に受注管理が煩雑化しコスト増の懸念も発生します。近年では、複数店舗展開されている店舗様では、一元管理システムを導入されているショップ様がほとんどです。しかし、一元管理システムも多種多様にわたり、どのようなシステムを選んだらよいのか、悩まれるオーナー様も多いのではないでしょうか。今回は、一元管理システムはどんなことができるのか、どのような種類があるのか、そして、実際導入するにはどのような手順を踏んだらよいのかについてご紹介させて頂きます。
(1)一元管理システムでなにができるの?
ECショップの一元管理システムと言っても、いったい何を一元管理できるのか、というところが大きなポイントです。代表的なものが「受注管理」「商品管理」「在庫管理」の3つがあげられます。そのほかに、倉庫管理、決済管理、売上管理など、さまざまな便利な機能を備えているシステムもありますが、一番多く利用されるのは、先ほどの3つと言ってもよいと思います。今回はこの3つについて、どんなことができるのか詳しく説明していきたいと思います。
1.受注管理はなにができるの?
受注管理は、一元管理システム導入を検討する一番の理由としてあげられるショップ様も多いのではないでしょうか。受注が増えれば増えるほど、受注処理の課題はたくさん出てくると思います。受注管理について、一般的に一元管理システムではどのようなことができるようになるのでしょうか。
・受注データの一括取込
・ステータス管理
・同梱処理
・メール一括送信
・帳票作成
・送り状発行
さまざまなシステムがありますが、一般的に必ず備わっているであろう機能は上記です。
複数モール、カートに店舗を出店している場合、それぞれの管理画面にログインし、受注処理を行うことはとても大変で、各モールやカートによっても受注処理の手順や使い方が異なるため、それぞれの機能を覚えるだけでもかなりの負担になります。それをまとめて処理できるのが受注管理システムです。異なるモールやカートから全てのデータをまとめて取得し、同じフォーマットに統一してシステムに取り込みます。取得したデータは各ステータスごとに管理され、データを一括選択して「メール送信」「帳票作成」「送り状発行」(または送り状システムとの連携)を行うことができます。ステータスは、システムによってはお店の運用に合わせて自由に作成できるものもあります。すべての作業を1画面で管理できるようになるため、大幅なコストカットが見込めます。
最近は、RSL(楽天スーパーロジスティクス)など物流サービスを導入されている店舗様も多く、そういったシステムと連携が可能か、というところも大きなポイントとなります。
帳票作成に関しては、伝票のフォーマットをお店に合わせて自由に変更できるサービスやオンライン伝票のようにURL一つで伝票を案内できるなど、便利なサービスを提供しているシステムもあります。
2.商品管理はなにができるの?
商品管理では、一般的にマスターデータを準備し、作成した商品を各モールやECサイト向けのデータに変換して同じ商品データをそれぞれのサイトに一括登録する仕組みがほとんどです。
特に商品データは、各モールごとに備えられている項目もさまざまで、統一することがなかなか難しいのが実情です。選択肢(S、M、Lなどのサイズなど)1つとっても、呼び方も異なれば登録方法も異なります。商品管理システムを導入することで、これらの面倒な統一化の作業をシステムが代わりに行ってくれるため、とても便利に感じると思います。
ただし、導入するためのハードルが無いわけではありません。
初めに説明した通り、商品を一括管理するためにはマスターデータの作成が必須となります。導入時は、いずれかのモールのデータを主としてマスターデータに登録し、不足分を追加するという作業が必要になります。システムによって異なりますが、商品番号や商品名から自動でマージして取り込んでくれるものもあれば、そのようなことができないシステムもあるため、見定めが必要になります。マージするためには、もちろんですが各モールで商品番号を統一する必要も出てきます。また、このマスターデータが不要なシステムも数はすくないですが存在します。マスターが無いのですぐに利用を開始でき、急いで導入したいショップ様などはそのようなシステムを選ぶのも一つの選択肢と言えます。
3.在庫管理はなにができるの?
在庫管理は、その名の通り、商品の在庫を管理します。
在庫管理もシステムが多様で、発注処理、入荷処理、実在庫の管理までできるシステムもあれば、各モール・カートの在庫数を自動連動させる機能のみを備えているシステムも多くあります。
実際、どこまで管理を行いたいのか、そういったところもシステム選びのポイントとなります。
また、商材によってはセット商品などを扱うショップ様も少なくないと思います。セット商品の在庫連動ができるのか、ということも押さえておいた方がよいでしょう。
在庫管理の場合も、商品管理同様、マスターデータの登録が必須となってきます。そのため、在庫管理と商品管理が一緒になっているシステムも多く存在します。
また、在庫管理専門のシステムも多く、しっかりとした在庫管理システムを導入したい場合は、その在庫管理システムと、導入する一元管理システムが連携できるのかどうかも確認しておいた方がよさそうです。複数のシステムがバラバラになってしまうと、せっかく一元管理システムを導入したのに管理が複雑になってしまうなんてケースも少なくありません。
(2)一元管理システムはどんな種類があるの?
次に、一元管理システムはどんなものがあるのか、いくつかご紹介させて頂きます。
10年前は10社程度だったところが、今では30社ほどまで種類が増えており、いったいどれがよいの?とわからないオーナー様も多いかと思います。少しでも参考になれば幸いです。
1.大規模店舗向け
ネクストエンジン
受注管理、商品管理、在庫管理すべての機能が備わっており、処理も全自動。
連携可能なモールや外部システムも豊富。
通販する蔵
受注管理、商品管理、在庫管理すべての機能が備わっており、お店の運用に合わせたカスタマイズをしたいショップ様におススメ。
2.大規模~中規模店舗向け
GoQシステム
格安プランも用意されており、店舗数は少ないけれど受注件数やスタッフの人数が多いショップ様におススメ。
助ネコ
受注管理、商品管理、在庫管理すべての機能が備わっており、Web領収書にも対応。
3.中規模~小規模店舗向け
速販
月々定額8,000円~店舗数、データ制限なくすべての機能が利用できる。マスターデータ不要のため、初めてシステム導入を検討されているショップ様におススメ。
他にもたくさんのシステムがありますが、店舗の業務フローに合った製品を選ぶことが大切です。
(3)導入までの流れ
ここまで、いったい一元管理システムで何ができるのか、どのような種類のサービスがあるのか説明してきましたが、では実際に導入するにはどうしたらよいのでしょう。
ほとんどのサービスでは、はじめに無料試用期間が設けられています。この試用期間はだいたい1ヵ月~3か月程度を設定されているものがほとんどです。試用期間中に機能制限のあるサービスもありますのでその点は注意して検討をしてください。また、試用開始時に、マスターデータを準備しなければ機能を試せなかったり、設定が複雑なサービスなどもありますので、実際機能を試す時間はもっと短いと考えておいた方がよいでしょう。できるだけ面倒な設定などはせずに気軽に始めたい、というオーナー様はマスターデータ不要のサービスなどご検討頂くと良いと思います。
実際の導入までの流れは、①サービスを試用する ②利用申込 ③利用開始 といった流れになります。
試用期間中に、サービスが店舗の運用に合っているかということを確認することはもちろんですが、費用面でコストカットに繋がるかどうかを見定めることも大切です。各サービスの担当者としっかり打ち合わせをして料金面などを確認されることをお勧めします。