物価高が続き、仕入れ値、広告費、人件費など、EC運営にかかるコストは上がり続けています。
一方、消費者の財布の紐は固く、現状でも厳しいのに「値上げ」はさらにハードルが高い…というのが現実ではないでしょうか。「価格は変えられない。では、どうやって利益を守り、確保すればいいのか?」
少しの工夫やシステムの活用で実現できることも多いので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
■手作業をゼロにする!徹底的なバックヤードコストカット
バックヤード業務の自動化と一元管理の徹底(手作業をなくす)
利益を守るための最初の一歩は、社内の「ムダ」を徹底的に削り、人件費やミスにかかる費用を圧縮することです。日常すぎて見過ごされがちな手作業こそ、コスト削減の最大の対象です。
| 課題(ムダ) | 解決策(スピードと正確さ) | 利益改善のイメージ |
| 複数のサイトにバラバラに来る注文処理 | バックヤード業務の自動化(受注・在庫の一元管理) | 人件費の削減:手作業を極小化し、担当者をより付加価値の高い業務(企画・マーケティング)にシフトさせる。 |
| サイトごとの在庫数調整ミス | ECサイト間の在庫数連動 | 機会損失の防止:売り越しによるキャンセル費用や、売り逃しをなくす。 |
| 毎日のメール作成等定型作業 | ルーティン作業の自動化 | ミスの撲滅:誤配送や送り状の作成ミスが減り、再配送コストが消える。 |
人為的なミスは、単に再配送コスト(送料、人件費)に留まらず、顧客からのクレーム対応、レビュー評価の低下、そして顧客ロイヤルティの喪失という様々な損害を招きます。システムによる自動化は、これらの潜在的なコストを一掃する確実な方法です。
弊社が提供する一元管理システム「速販UX」は、複数のECサイトからの注文を一箇所に集約し、メール送信、送り状印刷、在庫数の更新までの一連の流れの多くを自動化してミスをなくします。「速販UX」の導入で「守り」のコストカットが確立し、値上げせずとも利益を残せる土台が完成します。
変動費の最適化(アウトソーシングの活用)
①仕入れ値の継続的な交渉と最適化
定番品や高回転商品は、大量発注によるボリュームディスカウントを適用できないか、仕入れ先と交渉したり、複数の仕入れ先から相見積もりを取るなど、常にベストな価格帯を維持することも重要です。
②人件費の固定費から変動費へのシフト
出荷作業や商品登録など、繁閑の差が大きい業務は、積極的にアウトソーシング(物流倉庫、代行業者)の活用も良いでしょう。これによって、必要な時に必要なだけコストをかける「変動費化」が進み、閑散期のコスト負担が軽減されます。
■客単価アップで収益を伸ばす
コストを削る「守り」と同時に、顧客一人あたりの購入額を増やす「攻め」の戦略を展開することで、収益を最大化します。
「セット買い」の仕組み化で満足度と利益性を両立する(バンドル販売)
①戦略的なセット商品構成
例えば、「本体+消耗品(バッテリーなど)のセット」や「季節ごとの必需品セット」など、お客様が「これも欲しかった」と感じる組み合わせで、単品購入よりも価格的にお得、なおかつ顧客の利便性が向上するセットを構成することで、一度の購入で複数の商品を手に取ってもらい、客単価のアップと在庫消化を促進します。
②送料優遇ラインの設定
「あと○○円で送料無料」といったメッセージを提示し、セット商品や低価格な関連商品を追加購入を促します。
「ついで買い」の提案(クロスセル・アップセル)
Aという商品を購入したお客様に、「これと一緒に使うと便利なBはいかがですか?」と提案し、客単価を引き上げます。
①クロスセル(関連商品の提案)
商品Aをカートに入れたお客様に対し、「一緒に購入されている商品B」や「商品Aをより快適に使うための商品C」といった関連商品を提案します。例えば、カメラ本体の購入者にメモリカードやケースを提案するイメージです。
②アップセル(上位商品の提案)
検討している商品よりも高機能・高価格な上位モデルを提案します。「+2,000円で容量が2倍になります」「このプレミアムモデルは保証が3年付きます」といった付加価値を強調することで、より利益率の高い商品への誘導を図ります。
■費用対効果を最大にする!賢い集客術とは
広告費が高騰している今、マーケティング費用対効果を最大化するため、「誰に、何を、いくらで」届けるか、その効率を最優先します。
新規顧客獲得コストの最適化(リピート重視)
①既存顧客維持の優位性
新しいお客様を獲得するコストは、既存のお客様を維持するコストの数倍かかると言われています(5倍コストの法則)。新規獲得だけに注力するのではなく、既存顧客への再購入アプローチに費用と労力を集中させます。
②ロイヤルティプログラムの導入
購入回数や購入額に応じたランク制度(ゴールド会員、プラチナ会員など)を設け、限定的な特典や新商品情報の先行案内を提供することで、顧客の囲い込みを図ります。
「全員割引」をやめる(セグメント別オファー)
すべてのお客様に一律で割引クーポンを配ると、本来は定価で購入するはずだった顧客の利益まで削ることになります。これを避けるため、購入履歴や属性に基づいた「あなただけ」の特別オファーに切り替えます。
①休眠顧客向け
最終購入から一定期間経過した顧客にのみ、限定クーポンを配布し、再購入を促す。
②特定カテゴリ購入者向け
特定ジャンルの商品を購入した顧客に、その関連商品の割引を提供する。
これにより、割引による利益の低下を最小限に抑えつつ、顧客満足度とリピート率を上げることができます。
■ まとめ
価格を上げられない今、「コストを極限まで削ること」と「顧客単価を効率的に上げる仕組みづくり」はネットショップ運営において重要なテーマです。今回述べた例は一例ですが、お店ごと、商材ごと等、それぞれにマッチするやり方を試行錯誤しながら進めていきましょう。
本文でも述べましたが、「速販UX」のようなツールを活用すると、バックヤードの非効率な手作業を排除して、無駄なコストを削減できます。つまり、担当者を「単価アップ」や「リピート対策」といった稼ぐための戦略に集中させることができる近道になるのです。
速販UXのすべての機能は30日間無料で体験できます。
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