ネットショップの運営で、商品ページの作り込みに力を入れることは基本中の基本です。
写真を増やすだけでなく、動画を作ったり、説明文を充実させたり、バリエーションを細かく分けたり…。しかし、こうした「最適化」のつもりが、実はSEOの評価を下げる落とし穴になっているケースもあるのです。今回は、SEOの視点から注意点など、具体的に挙げてみます。
目次
■重複コンテンツの罠
多くのショップで見られますが「色違い」「サイズ違い」を別ページに分けるパターンです。
ユーザーにとっては便利に見える反面、検索エンジンからするとほぼ同じ商品説明が複数ページに存在している状態で、これが「重複コンテンツ」として評価を下げる原因になります。
解決策
●ウェブサイト内に存在する、重複または類似したコンテンツの中から、検索エンジンに「どのページを評価してほしいか」を指定する「カノニカルタグ」を設定することで検索結果での評価分散を防止する。
●色違いやサイズ違いなどバリエーションは1ページにまとめ、プルダウンや選択式で切り替え可能にする。
●構造化データ(Product,Offer,Review)を活用し、色やサイズを属性として明示する
構造化データは、検索エンジンに「このページは商品情報ですよ」「レビューが付いていますよ」と伝えるための特別なマークアップで、Googleはこれを理解して、検索結果にリッチリザルト(星付きレビュー、価格、在庫状況など)を表示します。
つまり、同じ検索結果でも「ただのテキストリンク」か「レビューや価格付きの目立つリンク」かで、クリック率が大きく変わるのです。
こうすることで、検索エンジンは「同じ商品だがバリエーションがある」と正しく理解し、評価分散を防止します。
■動的URLの落とし穴
商品ページが「?id=123」のような動的URLばかりだと、検索エンジンにとって理解しづらく、クリック率も低下します。ユーザーも「このリンクは何の商品?」と直感的に分かりにくくなります。
解決策
●静的URL化し、商品名やカテゴリを含める
例:/tshirt/blue-xlのように、ユーザーにも分かりやすいURLにする
これはSEOだけでなく、SNSでシェアされたときのクリック率向上にもつながります。
■レビューや説明文のコピペ問題
メーカー提供の説明文をそのまま掲載すると、他ショップと同じテキストになり、差別化ができません。
検索エンジンは「オリジナル情報」を好むため、コピーコンテンツは評価を下げる要因になります。
解決策
●例えば、スタッフの方の評価や使用感を追加して、よりリアリティを増加する
●写真や動画を交えて「オリジナル情報」を充実させる
●FAQ形式で購入前の不安を解消するコンテンツを盛り込む
つまり「このショップでしか得られない情報=独自コンテンツの追加」を提供することで、SEO的にも評価が上がり、売上アップにもつながります。
■ページ速度の見落とし
商品画像を大量に掲載すると、ページ速度が低下し、ユーザーが離脱しやすくなります。
特にスマホユーザーは表示が遅いとすぐに他サイトへ移動する傾向があります。
解決策
●画像をWebP形式に変換し、軽量化する
●LazyLoad(遅延読み込み)を設定する
わかりやすくいうと「ユーザーに見えるところだけを全力で表示し、見えないところは後回しに表示する」といった表示の仕方です。ページを開いた時点では、画面内に表示されている画像や動画など、ユーザーがすぐに必要とするコンテンツのみを読み込みます。
●不要なJavaScriptを削減
GoogleのCoreWebVitals(LCP・FID・CLS)を意識することで、SEO評価とユーザー体験を同時に改善できます。
■モバイルユーザーへの配慮不足
スマホからの購入が主流なのに、PC向けデザイン中心だとコンバージョン率が下がります。
特に「カートに入れる」ボタンが小さい、入力フォームが複雑などは致命的です。
解決策
●レスポンシブデザインで表示崩れを防ぐ
●タップ領域を広くし、操作性を高める
●モバイルでのカート操作を簡略化
「スマホで買いやすいかどうか」が売上を左右する時代です。
■内部リンク不足による評価低下
商品ページが孤立していると、検索エンジンは「重要度が低いページ」と判断します。
解決策
●関連商品リンクを設置し、回遊率を高める
●パンくずリストを導入し、階層構造を明示する
●カテゴリーページから商品ページへ適切にリンクを張る
内部リンクは「SEOの血流」とも言える存在。適切に設計することで、サイト全体の評価が底上げされます。
まとめ
商品ページ最適化は「売れるページ作り」の基本ですが、やり方を誤るとSEO評価を下げる落とし穴に陥ります。上記の内容を意識することで、検索エンジンにもユーザーにも評価される商品ページを作り、売上アップにつなげることができます。できることから始めること、常に意識し続けることが大切です。
弊社が提供する「速販商品」は、複数のECサイトに出品する商品ページの作成から管理まで、まとめて行うことができます。
1つの商品ページを作成したら、別のECサイト用にデータを変換して作成することができます。大まかなページ作成は速販商品で行い、ECサイトの販売傾向に添った商品説明など、工夫が必要なところだけを修正する、これだけでもかなりの効率化につながります。
更に、作成したデータはまとめてECサイト側に反映させることができるため、こちらも効率よく時間を使えるようになります。