「CSVファイル」はシンプルながらもデータのやり取りには欠かせない存在です。
ECサイトの管理や、システム間の連携をする際にも、頻繁に利用されていますね。
しかし、利用方法を誤ると、うまく連携できず、立ち往生してしまうこともあります。
今回は、CSVって何なのか、というところから、失敗してしまう理由を明らかにし、編集の注意点等を解説するとともに、CSV専用のエディターもご紹介します!
目次
- CSVファイルって、そもそも何?
- CSVファイルはどんな時に使う?
- ExcelとCSVファイルは違う?
- CSVファイルを編集するには?
- Excel(表計算ソフト)で開いた場合は、注意が必要!
- 文字化けや勝手な変更を防ぐにはどうしたらよいの?
- まとめ
■ CSVファイルって、そもそも何?
CSVとは、「Comma Separated Values(カンマ区切り値)」の略です。その名の通り、データをカンマ(,)で区切って並べたシンプルなテキストファイルの一種です。
通常(何も設定しない場合)WindowsのパソコンでCSVファイルを開くと、Excelが起動してきて表の形式で見ることができますが、実は、文字だけで作成されているテキストファイルです。
例えば、こんなデータです。
商品名,価格,在庫数
リンゴ,150,100
バナナ,100,200
みかん,80,150
この中身をよく見ると、商品名と価格と在庫数がカンマで区切られていますね。
これがCSVファイルの正体です。
CSVファイルがシンプルなテキスト形式であることには、大きなメリットがあります。
それは、どんなソフトやシステムでも扱いやすいということ。
Excelはもちろん、データベースソフト、プログラミング言語など、様々な場所でデータのやり取りができます。
■ CSVファイルはどんな時に使う?
CSVファイルは、Googleアナリティクスの情報、株価情報、天気予報などのデータをウェブサイトからダウンロードしたり、プロジェクトメンバー間でリストを共有したりする場合など、私たちの身の回りでもたくさん利用されています。
ECの管理業務上も、多くのシーンで利用されていますね。
・ECサイト管理画面から注文履歴をダウンロードする
・商品在庫数をECサイトや一元管理システムに登録する
・送り状システムと連携する
・受注管理システム、顧客管理システム、販売管理システム等複数システム間で連携する
などなど・・・。
■ ExcelとCSVファイルは違う?
先ほども説明しましたように、Windowsで特に設定をしなければ、CSVファイルはExcelで開くように設定されていますので、そのままだとExcelが起動してきます。
表形式で見えているし、同じようなものと思いがちですが・・・
Excelファイル(.xlsxなど)
- 文字や数字だけでなく、色、グラフ、計算式、マクロなど、たくさんの情報を保存できます。
- Excelという特定のソフトで開くことを前提に作られています。
- ファイルサイズが大きくなりがちです。
CSVファイル(.csv)
- 基本的に、テキスト(文字と数字の列)の情報だけを保持します。
- カンマで区切られた「純粋なデータ」なので、様々なソフトやシステムでデータのやり取りがしやすいのが最大の特長です。
- ファイルサイズが比較的小さく、処理も軽いです。
簡単に言うと、Excelファイルは「高機能なノート」で、CSVファイルは「純粋な情報のメモ帳」のようなイメージです。
■ CSVファイルを編集するには?
CSVファイルはテキストデータなので、メモ帳やTera Padなどのテキストエディタでも開けます。
しかし、内容のデータの意味を理解するためには、やはり、Excelなどの表計算ソフトを用いて、表形式で開く方がわかりやすいでしょう。
Excelで開いた場合、値の修正、行・列の追加や並べ替えなどができます。
編集中は、文字色を変更したり、セルに背景色をつけたりすることも可能です。
ただし、CSVファイルはあくまでもテキストファイルなので、編集後にCSVファイルとして保存した場合、文字色やセル背景色などの情報を保持することはできません。
■ Excel(表計算ソフト)で開いた場合は、注意が必要!
CSVファイルとExcelファイルとは異なるものですので、Excelで編集、保存する場合は細心の注意が必要です。
文字化け
日本語などの2バイト文字を含む場合、開くソフトや保存時のエンコード(文字コード)によっては文字化けすることがあります。
カンマ(,)の扱い
データの中にカンマが含まれていると、CSV形式のルール上、そのデータが「”」(ダブルクォーテーション)で囲まれることがあります。
例えば、「東京,大阪」というデータは”東京,大阪”と保存されます。自分でCSVを編集する際にカンマを含んだデータを入れる場合は注意しましょう。
保存するとき
編集が終わって「上書き保存」する際、CSVファイルとして保存し直す必要があります。
「名前を付けて保存」を選び、「ファイルの種類」で「CSV (コンマ区切り)(*.csv)」を選んで保存します。
このとき、Excelが「一部の機能は失われます」のような警告を出すことがありますが、これは色や計算式などのExcel特有の機能がCSVでは保存できない、という意味です。
Excelの自動変換機能
Excelでは、特に設定していなければ、数字の列は数値と見なされます。
また、日付や時間の形式の文字列は日付や時間とみなされる等、通常であれば便利な自動変換機能によって、意図しないデータに変えられてしまうこともあります。
(Excelの設定に依存しますので、必ずしも下記と同じ状況になるとは限りません。)
- 数字列:
数値と見なされ、0から始まる数字列(例:電話番号など03xxxxxxxx)の頭の0が消える - 桁数の大きい数字列:
12桁以上の数字列、例えば202506060002の場合は「2.02506E+12」という指数表記に変わる - 日付の形式:
日付形式の数字/文字列が自動的に「2023/1/1」のようになる

■ 文字化けや勝手な変更を防ぐにはどうしたらよいの?
CSVファイルを単独で利用する場合は、日付の形式等が変わっても問題ないかもしれませんが、
特に気を付けたいのは、システム間でデータをやり取りする場合です。
データの形式が変わってしまうと、データの連携ができない可能性があります。
メモ帳などのテキストエディタであれば文字化けはしませんが、表形式になっていないので直感的にわかりにくく、編集しにくいという欠点がありますね。
またExcelでも設定をすれば、文字化けせずに編集も可能ですが、少々面倒・・・。
ということで、表形式で文字化けを回避する方法として、「CSV編集ソフト」を利用する方法があります。
CSV編集ソフトは、CSV形式に特化したエディターです。
余分な機能が含まれていないので、文字列として扱いたいものが数値として認識されたりすることもなく、CSV編集になれていない方の場合でも、スムーズに作業することができます。
今回は3つの無料版のCSV編集ソフトをご紹介します。
Cassava Editor
行や列の挿入や入れ替えや、ソート、セルの結合機能なども備えており、視覚的にも作業しやすい人気のエディターです。
CSV+
比較的新しく、無料で使えるCSVエディターです。複数のOSに対応しています。
CSVイディー
セルの文字色や背景色をつけることもできるので、視覚的に編集しやすいというメリットがあります。
弊社では、Cassava Editorを利用しています。
先ほどのデータで内容を比較してみるとわかると思いますが、Excelだと指数表示に変わってしまっていたデータや、日付の表示、先頭の「0」等が、Cassava Editorではデータ通りに正しく表示されています。

Cassava Editor/メモ帳 | Excel | |
桁数の多い数字列 | 2024060600002 | 2.020506E+12 指数表示に |
日付の形式の文字列 | 2025/06/05 09:24:55 | 2025/6/5 9:24 日付、時間と見なされる |
数字列 | 10002337 | 10002337 数値と見なされ右寄せに |
先頭に0がある数字列 | 05054825937 | 5054825937 先頭の「0」が消える |
※「P183404522226348147」「050-5482-5937」は、数時以外の文字や記号「P」「-」が付いているため、数値ではなく文字列と認識されています。
■ まとめ
CSVファイルは、一見シンプルですが、そのシンプルさゆえに「汎用性が高く、多くの場所でデータの橋渡し役となる」非常に重要なファイル形式です。
- CSVファイルは、カンマで区切られたシンプルなテキストデータ
- Excelとは違い、純粋なデータのみを扱うため、様々なソフトと相性が良い
- 開く・編集する際はExcelも利用可能だが、文字化けや保存形式に注意が必要
- 表形式で文字化けの心配が無いCSV専用の編集ソフトが便利!
ただし、文字コードなど奥が深い部分もあり、扱いに注意が必要なこともあります。
まずは、CSVファイルをテキストエディタで開き、どんな情報がどのように並んでいるかを確認するところから始め、扱いやすいCSV編集ソフトを利用してみてはいかがでしょうか。
弊社が提供する一元管理システム速販UXでも、様々なEC周辺のサービスとCSVで連携しています。
また、正式対応していないECサイトも、受注の情報をCSVで取り込むことで、まとめて管理することも可能です。
ぜひお役立てていただければ幸いです。
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